大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和47(あ)319 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人高木右門の上告趣意第一点は、単なる法令違反の主張であつて、刑訴法四

〇五条の上告理由にあたらない。

同第二点のうち、判例違反をいう点は、所論引用の判例は事案を異にし本件に適

切でなく、その余は、憲法三一条、三〇条、八四条違反をいう点もあるが、その実

質はすべて単なる法令違反、事実誤認の主張であつて、いずれも刑訴法四〇五条の

上告理由にあたらない。

同第三点のうち、憲法三一条違反をいう点について。

国税通則法六八条の重加算税と法人税法一五九条の刑罰の併科が憲法三一条に違

反するものでないことは、当裁判所判例(昭和二九年(オ)第二三六号同三三年四

月三〇日大法廷判決・民集一二巻六号九三八頁、昭和三二年(あ)第一六五九号同

三六年五月二日第三小法廷判決・刑集一五巻五号七四五頁)の趣旨に照して明らか

であつて、所論は理由がない。

同点のうち、憲法一四条違反をいう点は、右併科は人によつて差別的になされる

ものではないから、所論は前提を欠き、その余は、単なる法令違反の主張であつて、

いずれも刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。

同第四点のうち、判例違反をいう点について。

所論は、原判決は、法人税法一五九条の逋脱犯の逋脱税額算定にあたり、青色申

告の承認を受けた被告会社がその承認に基づいてした貸倒引当金、価格変動準備金、

商品取引責任準備金の損金算入等の処理を事後になされた青色申告の承認の取消に

基づいて否認した結果生じる所得額の増減を算入すべきである旨判示しているが、

この判断は高等裁判所判例(東京高裁昭和三四年(う)第九四二号同三六年六月一

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三日判決・下級刑集三巻五・六号四二二頁)に違反するというのである。

原判決がしている所論の趣旨の判断は所論引用の高等裁判所の判例と相反してい

るが、同判例はその後なされた最高裁判所の判例(昭和四七年(あ)第一三四四号

同四九年九月二〇日第二小法廷判決)によつて変更されており、かつ、原判決の判

断を維持すべきものであるから、刑訴法四一〇条二項の趣旨に従い、判例違反をい

う論旨は理由なきに帰する。

同点のうち、その余は、憲法三一条、三九条前段、三〇条、八四条違反をいう点

もあるが、その実質はすべて単なる法令違反の主張であつて、刑訴法四〇五条の上

告理由にあたらない。

同第五点のうち、判例違反をいう点は、所論引用の判例は当該事案における量刑

理由を判示しただけで他の事案に適用すべき法律的見解を含んでいないのであるか

ら、刑訴法四〇五条にいう判例にあたらず、その余は、憲法二五条違反をいう点も

あるが、その実質はすべて量刑不当の主張であつて、いずれも刑訴法四〇五条の上

告理由にあたらない。

よつて、刑訴法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決す

る。

昭和四九年一〇月二二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 坂 本 吉 勝

裁判官 関 根 小 郷

裁判官 天 野 武 一

裁判官 江 里 口 清 雄

裁判官 高 辻 正 己

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